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こんにちは。体験じゃぱんのオコシです。

浅草で、常に行列ができるメロンパンがあります。浅草花月堂さんの「ジャンボめろんぱん」です。

浅草寺西参道の本店だけで1日3000個、4店舗で1日6000個売れるという驚異の人気商品。

浅草花月堂さんで焼きたてを実食するとともに、社長の結城義文さんに取材し、人気の秘密を探ってきました。

直径15cmの特大サイズながら100g以下の軽量級

まずは、ジャンボめろんぱんをじっくり解剖していきましょう。

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大きさを表現できないかと考え、フリスクのケースと比較してみました。ジャンボめろんぱんの直径を実測したところ、なんと15cm。5号のホールケーキ(4~6人分)とほぼ同じ長さです。

この大きさですから、ずっしりと重いパンを想像していましたが、測ってみると93gと、100gに満たない重量。見た目と軽さのギャップが激しく、手にしてみるとちょっと拍子抜けするくらいです。

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この分量のポケットティッシュと、ほぼ同じ重さです!

 

カリふわの極致を行くメロンパン!!

砂糖をまぶして焼き上げた皮は香ばしく、感触はさくっと軽いクッキーのようです。

中の生地は、空気をふんだんに含んでいて、まるで羽毛布団。

超カリ×超ふわ、異なる食感のコントラストが、ジャンボめろんぱんの特徴です。

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このように手で押すと、簡単にぺしゃんこになってしまいます。

撮影に協力くれた辻祐介さん(浅草にオフィスを構える飲食店求人サービスのペコリッチさん勤務)は、「押してみたら、中身が空洞になっているような感触でした」と言います。

安心してください。ちゃんと中身も入ってますよ。

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つぶして食べてもおいしいですが、初めての方はふんわりのまま食べてください。

「カリふわ」なんて食べ物にありがちな表現ですが、そうとしか言いようがありません。

言うなれば「カリふわグルメの王者」なのです。

 

アツアツのインパクトがすごい!

花月堂さんでは、工場で作った生地を、店の中で発酵させ、オーブンで焼いて販売しています(新仲店を除く)。

16時前に行けば、高い確率で本当のできたてホヤホヤをいただけます。

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味や食感はもちろんですが、アツアツのメロンパンを食べる体験自体がサプライズになります。

焼きたてのパンはめずらしくないけれど、湯気がたつほどの状態で食べる経験は、中々できないのではないでしょうか。

甘~い香りとやさしさが伝わる味

香りはまさに焼きたてのクッキーのよう。

オフィスに置いておくと、甘く香ばしいにおいが部屋に充満します。

「この人、なんかおいしそうなの持ってる」感が満載なので、家で食べたいときはバッグの中に入れて隠しています。

肝心の味は、香りから想像するほどの濃厚さはなく、爽やかかつ軽やか。

砂糖でコーティングされた皮は確かに甘いのですが、ふくらんだ生地はいつも食べている食パンやコッペパンとほとんど変わらないくらいです(甘さに関して言えば)。

この両者があいまって、全体的には「やさしい甘さ」といった印象。

メロン果汁なども入っておらず、砂糖とパンのシンプルな味わいが、どこか懐かしくもあり心にしみます。

 

2015年に本店が移転。現在は浅草に4店舗

なにせ、本店だけで1日3000個売れるというジャンボめろんぱん。

あまりに大行列ができてしまうので、2015年に仲見世脇にあった旧本店を移転し、現在は浅草寺の西参道に本店を構えています。ほか、2号店の雷門店、馬道店、新仲店と、浅草に合計4店舗。

 

『浅草 花月堂 本店』
東京都台東区浅草2-7-13
TEL 03-3847-5251

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『浅草 花月堂 雷門店』
東京都台東区浅草1-18-11
TEL 03-5830-3534

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『浅草 花月堂 新仲店』(テイクアウト専門)
東京都台東区浅草1-32-4

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『浅草花月堂馬道店』
東京都台東区花川戸1-15-3-1F
TEL 03-6231-6615

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営業時間は午前9時~完売次第。午後は行列必至

花月堂さんのホームページをチェックすると、明確な閉店時間は書いていません。

閉店はジャンボめろんぱんの「完売次第」。さすが、繁盛店ですね。

目安の時間は16時。過ぎると売り切れることがあるので、それまでには買いに行きたいところ。

なにせ、多い日は、4店舗合わせて6000個売れます。

浅草を歩いていると、常に行列ができているように見えますが、平日の午前中、特に早い時間は狙い目。並ばずに買える可能性が高いそうです。

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浅草寺にほど近い本店は、休日になるとこの行列。並ぶ価値はありますが、できればスムーズに食べたいものです。

 

ジャンボめろんぱんの気になるお値段は・・・・・・1個200円(税込)

1個200円(税込)、3個セットなら500円(税込)。

メロンパンとしては、ちょっとお高めです。はじめは浅草という観光地価格かと思いましたが、食べてみれば納得。この後ご紹介しますが、手間もかかっているので決して高くはないのではないでしょうか。

本店、雷門店、馬道店では、お店でイートインができます。

メロンパン+ドリンクのセットが500円(税込)なので、浅草散歩の休憩に利用するのもGoodです!

 

浅草花月堂・社長 結城義文さんとは?

さて、この恐るべきメロンパンを生み出したのが、浅草花月堂・社長の結城義文さんです。

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結城さんは、東京農業大学で「発酵学」を学んだ後、白衣を着て、製粉メーカーの研究職を10年つとめたという「科学者」。

メロンパンの原料である「小麦」と、発酵させておいしいパンに仕上げる「微生物」を知り尽くしているのです。

結城さんに「メロンパンづくりの楽しさは何ですか?」と聞いてみると、「微生物とのかけひき。毎日子育てを体験しているようなものです」とにっこり。

メロンパンは科学(化学)

結城さんの信条です。

 

パンづくりのタブーを破る3時間の長時間発酵

では、具体的にどのように作っているのか? もちろん気になりますよね。

結城さんに「どうやって作るんですかー?」と無邪気に聞いてみたところ、

「38度で3時間発酵させるんですよ」と、あっさり教えてくれました。

結城さんいわく、パンづくりの世界で3時間も発酵させるというのは「タブー」だそうです。

発酵時間は通常長くても90分程度で、過剰に発酵させると、ふつうのパンはふくらまず崩れてしまいます。

やり過ぎれば、アルコール発酵して、酒臭くなってしまうリスクもあるというのです。

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けれど、花月堂さんではタブーを破ることで、直径5cmの生地を3倍の15cmにまでふくらませます(右が発酵後、左が発酵前の生地)。

だからこそ、あの驚異のカリふわ食感が実現するのです。

 

朝昼晩で発酵のさせ方が微妙に違う

長時間発酵のメカニズムをお聞きして、「そんな大事なこと言っちゃっていいの?」と正直思いました。

しかし、「レシピを知っていても簡単には真似できません」と、結城さんは言います。

なにせ、その日の気温や温度、時間帯、お店の立地条件によっても、発酵のさせ方を微妙に変えているのだとか。

お店の混雑まで予測して、作り方をいるというからすごい!! お店の中で生地を発酵させているので、人の出入りによって、温度湿度、風向きまでも変わります。

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一定のクオリティを保つため、毎日の微妙な環境変化を予測して、社長自ら発酵のさせ方を指示しているのです。

ならば、どのように細かな調整をしているのか?

それが企業秘密なんです!!!

 

理想の砂糖は身近なところにあった!

製法のこだわりはよくわかりました。

さぞや素材も特別なものを使っているだろうと思いきや、

結城さんは、「どこにでも売っているふつうの小麦ですよ」と、さらり。

では、砂糖はどうか?

(結城さん)「いろいろな産地や製糖会社の砂糖を試したけど、たどり着いたのはハナマサさんです」

(筆者)「あの『肉のハナマサ』さんですか?」

(結城さん)「そう。ハナマサのグラニュー糖が調度よい粗さなんです。うちのジャンボめろんぱんに、これ以上の砂糖はありません」

ジャンボめろんぱんの表面には、細かい砂糖の粒が光っています。よく見ると、それが生地と一体化して、コーティングのような皮膜になっていることがわかります。

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「焼くと半分溶けて半分残る(結城さん)」という調度よい具合が、絶妙な舌ざわりと歯ごたえを生んでいるのです。

 

ピュアな人でなければつくれない!

現在、浅草花月堂さんのスタッフは4店舗で30人ほど。結城さんは「採用にもこだわりがある」といいます。

それは、できるだけパンづくりの知識や経験が「ない」人にはたらいてもらうということ。

パン屋さんではたらいていたような経験者は、「パンとはこういうものだ」という固定観念があります。

ジャンボめろんぱんは、パンづくりの常識を覆して生まれたもの。

浅草花月堂さんでは、思い込みなく、まっさらな気持ちを持った人たちが、日々試行錯誤しています。

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お店に行けば、そんなピュアで元気なスタッフさんたちに会えますよ!

 

組み合わせやチョイ足しも自由に

型破りな結城さんがつくった、型破りなジャンボめろんぱん。

食べる方も、いろいろな楽しみ方にチャレンジしたら楽しそうです。

常連さんの中には、ビールのおつまみにジャンボめろんぱんを食べる人もいるとか。

今回ぼくは、花月堂さんと同じく浅草の行列店・千葉屋さんの大学いもを、ジャンボめろんぱんでサンドイッチしてみました。ホッピー通りの煮込みや、伝法院どおりのメンチカツなども考えましたが、個人的には甘い物同士で組み合わせたいのです。

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千葉屋さんの大学いも。

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サクッと皮が割れると、ホックリとやわらかいおいもが出現。舌にからみつくようになめらかな大学いもは、ジャンボめろんぱん単体とは、また違った食感のコントラストが楽しめます。

千葉屋さんの大学いもは、まろやかな蜜がたっぷりかかっているのに、甘さは控えめ。パンと一緒に食べるとクリーミーな感覚もあり、すばらしい相性です。

なお、7月になると、浅草花月堂さんでもソフトクリームを挟んだ「アイスめろんぱん」(450円)が販売されます。夏の大人気商品です!!

 

新たなる目玉メロンパンの開発はあるか??

ここまで来ると、気になるのがこの先の展開です。

浅草花月堂さんでは、アップルパイやあんみつ、そばも名物ですが、ジャンボめろんぱんに新たな展開はあるのか?

たとえば、チョコチップとか、メロン果汁入りとか、しっとり系とサックリ系があったり、メロンパンのバリエーションは多彩ですよね。

結城さんに質問をぶつけてみると、「今のところ新たな目玉商品の開発予定はない」とのこと。

15年前に生まれたジャンボめろんぱんは、まだ7割ほどの完成度だと言います。

現状の商品に100%の力を注ぎ、完成度を上げていくのが結城さんと浅草花月堂さんが抱く今後のビジョンです。

 

まとめ

浅草へお越しの際は、ぜひおすすめしたいジャンボめろんぱん、いかがでしたでしょうか?

お伝えした通り、アツアツを食べる驚きは、きっと思い出になるはず。

初めての方は、ぜひお店で焼きたてを召し上がってください。

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2回目は、持ち帰って少し冷ましてみるのがおすすめです。

焼きたてのふんわり感はやや薄れますが、生地が少し締まって食べ応えが生まれます。

結城さんは、10分寝かせたくらいの状態がお好きだとか。

他の食材との組み合わせも含め、いろいろトライして「マイベストジャンボめろんぱん」を見つけてください!