ガチャガチャ生まれのフィギュアが浅草を体験するシリーズ。
今回は、そばの名店ひしめく浅草でも、コスパ抜群で庶民派ナンバーワンの翁そばさんです。
浅草六区「いっぷく横丁」の名そば店
カンフーパンダ
おっす! ぼく、カンフーパンダ!! 動物の総合格闘技(A-1グランプリ)で最強を目指しているんだ。
ムエタイネコ
どあほう。一番は、このムエタイネコや。
カンフーパンダ
翁そばさんのある浅草六区って、どんなとこ?
ムエタイネコ
なんや、知らんのかいな。「寅さん」で国民的俳優になった渥美清さん、「欽ちゃん」こと萩本欽一さん、今や世界の巨匠・北野武(ビートたけし)さんも、六区の「旧浅草フランス座」(現在の浅草フランス座演芸場東洋館)が芸を磨いた「聖地」や。
カンフーパンダ
そうかー。今も、浅草演芸ホール、東洋館、浅草リトルシアター(詳しくはこちら)と、お笑い劇場が並んでいるもんね。
ムエタイネコ
翁そばは、そんななかにある庶民の味方やでえええ。
カンフーパンダ
観光客が多いけれど、目立たない細い路地だねえ。
ムエタイネコ
知る人ぞ知る名店ぞろいの「いっぷく横丁」や。下町風情を感じる渋~いたたずまいに、テンションが上がるなあ!
芸人さんお気に入りは「たぬき」
カンフーパンダ
こんにちはー。
ムエタイネコ
おじゃましまっせえ。
カンフーパンダ
おっ! 安い。
ムエタイネコ
この立地でこの値段。若手の芸人さんがたくさんやってくるんやで。最近ではナイツさんも、ブレイクする前からの常連さんなんや。
カンフーパンダ
芸人さんに人気なのが「たぬきそば」、温かい季節なら「冷やしたぬき」、どちらも500円だよ。
(写真は冷やしたぬき)
カンフーパンダ
店主の中村栄一さんいわく、
「お金のない芸人さんに、安くて油の満足感があるたぬきそばが人気なのだと思います。ベテランになっても、若いころの味が忘れられずに、食べに来ていただいているのではないでしょうか」
ムエタイネコ
なんてやさしい笑顔。仏様やあ~。
自家製麺の同割そばは食べ応え十分
カンフーパンダ
メインのそばは幅5mm、厚さ2mmほど、しっかりとエッジが効いていそうな平打ち麺だねえ。
ムエタイネコ
ゴクン・・・・・・これは食べ応えがありそうやなあ。
カンフーパンダ
そば粉:小麦粉が5:5となる「同割そば」だよ。
ムエタイネコ
はよ食わんと伸びてまうで。
カンフーパンダ
中村さんが毎朝手ごねで自家製麺しているんだよ。
ムエタイネコ
もう、辛抱たまらん!!
ムエタイネコ
くぅー、想像以上にもっちりとした食感!! ほどよくしめった揚げ玉から、脂とキレのあるつゆが、じんわり染みだしてくるでー。
カンフーパンダ
ダシは宗田節と鯖節。
ムエタイネコ
それそれ。そばがよくなじんで、風味が引き立つんや~
ムエタイネコ
つるっと入るのどごし重視のそばもええけど、また違った意味で味わい豊かな一杯。
ムエタイネコ
秒速完食や!!
戦前を再現したオリジナルのカレールウ
カンフーパンダ
翁そばさんのさらなる人気商品が「カレー南ばん」650円!
ムエタイネコ
お客さんは、結構な割合でカレー南ばんを注文していくなあ。
カンフーパンダ
オリジナルのルウは、戦前からの味にならった企業秘密なんだって。「うちのはだいぶ辛口ですよ」って中村さんが。
ムエタイネコ
あのキレのあるツユに、カレーを投入するんやなあ。こりゃあ、間違いなくうまい!
カンフーパンダ
食欲をそそるスパイスの香りが、客席に漂ってくるねえ。
ムエタイネコ
早う食わしてくれ!!
どうにも止まらないスパイシーカレー
カンフーパンダ
これはおいしそう!!
ムエタイネコ
どんぶり目一杯のカレーが、いまにもこぼれ落ちそうやないけ。
カンフーパンダ
汁がからんでずっしりと重いそば。腹ペコ男子にはたまらないねぇ
ムエタイネコ
もうあかん! いただきま・・・・・・
ムエタイネコ
あひぃっ!!
カンフーパンダ
ごめんよ、ムエタイネコ。この一杯だけはゆずれない。いただきまーす。
カンフーパンダ
うん、中村さんの言葉通りカレーはかなりスパイシー! 刺激に食欲がかき立てられて、箸が止まらなくなる
カンフーパンダ
具はタマネギと鶏肉のみと、至ってシンプルだね。どちらにもカレーがほどよく染みてるなあ。特に弾力を残した鶏肉は、絶妙なうまみと食感のアクセントだ。
ムエタイネコ
痛たたた・・・・・・って、もうカレー飲み干しとるやんけ!
カンフーパンダ
ぷはぁー。さっき笹をたくさん食べてお腹いっぱいだったのに、そんなことすっかり忘れていたよ。
ムエタイネコ
そば湯入れて、マイルドカレースープにしてはるお客さんもいるで。
カンフーパンダ
さて、ここで許していただけるなら、ひとつだけ翁そばさんにお願いがあります。
ムエタイネコ
なんやねん。
カンフーパンダ
ご飯がほしい
ムエタイネコ
わてからもお願いします!
この圧倒的な存在感のカレー南蛮を白米のおかずにしたら・・・・・・。想像しただけで、お腹が空いてたまりまへんなあ。
※翁そばさんにご飯もののメニューはありません。
創業100年超、老舗の心意気
ムエタイネコ
ところで、翁そばさんには、わりと定番の天ぷらそばがないやろ。けれど、揚げ玉を使うたぬきそばある。
これってちょっと不思議やないか?
カンフーパンダ
確かに。そう思って中村さんから聞いておいたよ。
老舗の天ぷら店から揚げ玉だけ仕入れているんだって。
ムエタイネコ
ほおー。パンダ、よう取材できとるやないけ。
カンフーパンダ
翁そばさんの創業は大正3年。中村さんの代で4代目。
戦争の際に店は一度焼けてしまったけれど、1950年(昭和25)に復活し、今に至るんだ。
安くて栄養がある食べ物をいち早く提供したいと、尽力したのが先々代の店主。
物資は不足しているけれど、できるだけのことはしたいと、揚げ玉だけは近隣から仕入れ、たぬきそばを提供したんだ。
ムエタイネコ
どこまでも庶民派のスタイルを貫いてはるんやなあ。翁そばさん、ますます好きになってまうわ。
カンフーパンダ
じゃあ、ぼくから質問。キッチンの前にかかっている年季の入った看板にはなんて書いてあるの?
ムエタイネコ
ああ、これは「銀絲箸馨」(ぎんしはしかおる)や。
カンフーパンダ
ぎんし??
ムエタイネコ
「銀絲」はそばのこと。おいしいそばは、銀の糸みたいに輝いて見えるやろ。
カンフーパンダ
なるほどー。
ムエタイネコ
銀絲箸馨は「箸でそばを持ち上げると香りが漂う」という意味やな。先代の店主が、知り合いの僧侶から贈られたそうやで。
カンフーパンダ
おしゃれな言葉。こういうのを「粋」っていうんだろうねえ。
出演:タカラトミーアーツ「総動格闘技A-1グランプリ」よりカンフーパンダとムエタイネコ
翁そばの営業時間・アクセス
店名:翁そば
営業時間:11:45~15:00/16:30~19:30
定休日:日曜日
電話:03-3841-4641
住所:東京都台東区浅草2-5-3
アクセス:つくばエクスプレス浅草駅から徒歩約2分。東武スカイツリーライン・東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩7分