浅草寺伝法院から、浅草演芸ホール/東洋館といった老舗演芸場に抜ける浅草六区通り。
渥美清さんや萩本欽一さんなど、ゆかりある浅草芸人さんたちの顔写真が、街灯から通りを見守っています。
そんなお笑いの街で、「世界一小さな劇場」と銘打たれたエンタメスポットが、「浅草リトルシアター」さんです。
365日の白熱! 若手お笑いライブ
浅草リトルシアターでは、連日若手芸人さんたちのお笑いライブ「THE 笑LIVE」が開催されています。
芸人さんたちが自ら路上に立ってチラシを配っており、浅草六区通りの一角はとてもにぎやかです。
(写真はお笑いコンビ「おちもり」の越智さん)
約30組のお笑い芸人さんが、「お笑い六区」と「浅草笑劇場」の2グループに分かれ、日替わりで漫才、漫談、コントなどを上演。
月曜・木曜・金曜・日曜に「お笑い六区」、火曜・水曜・土曜に「浅草笑劇場」が登場します。
「マントフフ」さんのコント。お医者さんに相談したら、まさかそんな病名が付けられるなんて・・・・・・
30人でいっぱいの小劇場は熱気でムンムン!
「世界で一番小さな劇場」と謳っているとおり、30席ほどの小さなスペース。
この距離感だけに、芸人さんと観客の一体感は抜群です。ウケれば一瞬で場が盛り上がりますし、その逆もしかり。
芸人さんの熱がダイレクトに伝わってきます。
下は「わらく」さんによる驚愕の“カスタネット”漫談。斬新なネタが観られるのは、小劇場ならではの醍醐味かもしれません。
チケット不要!木戸銭1,500円、会員価格は1,000円
木戸銭(入場料)は税込み1,500円。中高生は500円と、かなりお得です。
ベテランの芸が観られる近所の「浅草演芸ホール」は通常時2,800円、「東洋館(浅草フランス座演芸場東洋館)」は2,500円ですから、若手が演じる浅草リトルシアターの料金は手頃です。
磨き上げられた落語や漫才は素晴らしいですが、若手を応援する気持ちで荒削りな芸を観るのもエキサイティング。
さらに、メルマガ会員の「笑友」になり、送られてくる「笑友通信」を見せると、木戸銭が1,000円に割引きされます!
入会金・年会費は不要なので、興味のある方はぜひ入会してください。体験じゃぱんも入会していますよ。
下のQRコードからメールアドレスを読み込み、入会希望の旨を送信してください。名前や連絡先の記入は不要です。
または、こちらのメールアドレスからどうぞ!
melform-1387@itm-asp.com
11:00~17:00まで1日6回公演!出入りは自由!!(混雑時は入替制)
「THE 笑LIVE」の上演タイムテーブルは以下の通りです。
1回目 11:00~
2回目 12:00~
3回目 13:00~
4回目 14:00~
5回目 15:00~
6回目 16:00~
各回1時間弱で、途中で小休憩が入ります。
1度木戸銭を払えば、その日は入退場が自由!(混雑時は入替制)
木戸銭の安さもさることながら、浅草で遊ぶなら、とてもお得なシステムです。
例えば1回目のステージを観てから、浅草散策を3~4時間楽しみ、再入場してもよいわけです。
ホッピー通りで一杯やるもよし、
もちろん、浅草寺にお参りしてもよし、
行列のできるメロンパンなど、食べ歩きグルメを満喫するもよし。
(詳しくは「浅草花月堂の特大メロンパン! 1日6000個売れる人気商品とそのうまさの秘密を体験」へ)
出演する芸人さんは同じなので、回によってネタに大きな違いがあるとは限りませんが、お気に入りの芸なら何度観ても楽しいですし、1ステージを半分ずつ楽しむ手もあります。
夜は一転、オトナの世界に
昼間は「THE 笑LIVE」で連日にぎわう浅草リトルシアターですが、夜は別の表情を見せます。
たとえば、今年2016年2月に行われた「浅草艶絵巻」。
ストリッパーのお姉さん方が、文学の世界を演じる魅惑の舞台です。
浅草には「ロック座」という老舗のストリップ劇場が営業しています。
ベテランのダンサーさんが磨き上げた素晴らしい表現力を、文学と融合させたらどうなるのか??
浅草リトルシアターの新しい取り組みです。
なお、小屋主の山口六平さんが主催する「浅草喜劇団」の公演も、毎月行われています。山口さんも出演するので、ぜひ浅草リトルシアターHP内「浅草喜劇団」のページをチェックしてください!
仕掛け人は山口六平さん~若手芸人に舞台を~
芸能の街・浅草六区から、新しいエンタテインメントを創出するリトルシアター。プロデュースしているのが山口六平さんです。
舞台役者の大ベテランで、現在は演出・脚本、そして浅草リトルシアターの「小屋主」として活躍しています。
「リトルシアターは無名の若手芸人のために作った」という山口さん。お笑いブームで芸人さんが増え、業界が飽和状態になっていると言います。
お笑い劇場の中には、出演するためにお金が必要だったり(観客ではなく芸人さんが払う!)、チケット販売のノルマを課される所もあるそうですが、浅草リトルシアターは一切なし。
「ライブに出られない芸人がたくさんいる。ここでは、なるべく規制を作らず舞台に出し、お客様に育ててもらいたい」というのが山口さんのビジョンです。
来る者拒まず、去る者追わず
そんなコンセプトの劇場ですから、あらゆる芸人さんがやってきます。バラエティの豊かさも、浅草リトルシアターの魅力でしょう。
山口さんにネタ見せしてOKが出れば、出演できます。
「冷やかしはすぐにご遠慮願うけれど、“ヘタだから”と出演を断ることはない」と山口さん。
「早く人気が出て、ここは卒業してほしいんだよね。お前ら、いつまでもウチにいるんじゃないってね」と、やさしい目で笑います。
そうはいっても、小さな劇場ならマニアックなネタにもチャレンジできるし、浅草リトルシアターには、お笑いだけで生活できるくらい、収入が得られる仕組みもあります。
「あわてずに芸を磨いて、メディアに出て行って欲しい」
一刻も早く売れて欲しい気持ちと裏腹なようで、実際はそれが近道なのかも。
どちらも山口さんの真意です。
さらに小さい! 「下積み通り」の「プチシアター」
浅草リトルシアターから徒歩1分、「いっぷく横丁」と呼ばれる小さな通りがあります。
その一角に浅草リトルシアターの楽屋があるのですが、若手芸人さんたちが道でネタ合わせをしているため、いつしか「下積み通り」と呼ばれるように。
楽屋の建物は2階建てで、1階は「プチシアター」という小さなバーになっています。
プチシアターは、芸人さんたちが自ら催しを開くことができる小さなイベントスペースです。
リトルシアターにも出演する「おせつときょうた」の「きょうた」さんのイベントに伺いました。
その名も「きょうたのおでん」。
魚貝ダシの利いたおいしいおでんをいただきながら、手を伸ばせば届く位置で芸人さんのトークを聞けます。
(左から、きょうたさん、森石ミドリさん、まってて中西マンさん)
この距離ですから、お客さんも話を振られます。とびきり楽しい居酒屋トークのようでしたが、そこはプロ。
仕切るところはばっちり仕切り、締めるところはきっちり締めて、展開の早いトークが繰り広げられます。
顔見知りのファンの方が多いようでしたが、突然入店してもあたたかくおもしろく、迎えてくれました。
芸や家族、恋愛の悩みも含め、芸人さんから本音ベースの貴重なお話が聞けました。
きょうたさん、どうやら合コンの達人です!!!
まとめ
プチシアターで取材させていただいた山口六平さん。「六区から半径100mで生きている」とおっしゃる通り、そのあたりを歩いていると、ダンディな姿を時々お見かけします。
浅草リトルシアターはもちろん、プチシアターの「きょうたのおでん」では、特に貴重な時間を体験しました。
厳しくも夢のある芸人さんの暮らしを聞いて、活躍をお祈りせずにはいられない体験じゃぱんです。
浅草リトルシアターのアクセス・営業時間
名称:浅草リトルシアター
住所:東京都台東区浅草1-41-7
アクセス:東京メトロ銀座線浅草駅・田原町駅から徒歩7分、つくばエクスプレス浅草駅から徒歩1分
定休日:なし
上演時間:11:00~、12:00~、13:00~、14:00~、15:00~、16:00~/その他夜の公演、提携公演あり/プチシアターのイベントは不定期開催