「観音うら」と呼ばれる閑静なエリアで開催される華やかな歴史絵巻。

浅草の「おいらん道中」は、ふくよかな八重桜とともに訪れる春の一大イベントです。

おいらん道中とは? 遊郭の世界を華やかに再現

戦後まで遊郭として栄えた「吉原」は、浅草寺の北、今の千束4丁目、3丁目にありました。

これにちなんで、旧吉原のすぐ近くで毎年行われるイベントが「江戸吉原おいらん道中」です。

おいらん(花魁)とは、あまたいる遊女のなかでも、特に格の高い女性。

「見世」から「引手茶屋」へ、お客を迎えにいくのにも、たくさんのお供を引き連れて行列をなしました。これが「おいらん道中(花魁道中)」です。

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遊郭ですから、よいことばかりとは言えません。しかし、吉原は当時の文化と芸術の一大拠点でもあり、花魁はそのシンボルです。

歴史ある作法や所作を遺せないものかと、地元の人を中心に2003年からおいらん道中のイベントが開催され、今につながっているのが「江戸吉原おいらん道中」です。

【2016年開催日程】4月9日10:00~、おいらん道中は13:00~

2016年の開催日程は以下の通りです。

開催日:4月9日(土)※雨天の場合4月10日(日)に順延

時間:10:00~16:00

ステージイベント:

10:30~12:00 富士小学校・幼稚園、千束小学校・幼稚園の演奏
12:30~13:00 浅草花やしき少女歌劇団ショー
13:00~13:30 おいらん道中(見世→引手茶屋。千束側からステージへ)
13:30~13:45 吉原の狐舞ひ
13:45~14:00 江戸夢模様~松葉屋の手紙・剱伎衆かむゐ~望月太左衛社中/特別ゲスト・丹阿弥谷津子
14:00~14:15 「江戸吉原粋花街乃賑」ステージショー
14:15~14:45 おいらん道中出演者撮影会
14:45~15:15 おいらん道中(引手茶屋→見世。ステージ側から千束側へ)
15:20~15:50 和太鼓ショー

【開催場所とアクセス】小松橋通りと柳通り(今の吉原エリアではありません)

開催場所は浅草4・5丁目の「観音うら」と呼ばれるエリア。風俗店が並ぶ、今の通称「吉原」エリアとは異なります。

会場:一葉桜小松橋通り

住所:東京都台東区浅草5-6-3付近

小松橋通りと柳通りの交差点がメインステージで、おいらん道中で練り歩くのは、小松橋通りの100mほどです。

アクセスは以下の通り。

電車:東武線・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線浅草駅から徒歩10分。つくばエクスプレス浅草駅から徒歩5分。東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩10分

バス:都バス下車停留所「浅草四丁目、浅草警察署前」。循環バスめぐりん下車停留所「北めぐりん29番千束三丁目」

見どころは? おいらん道中だけじゃない!

一番の見どころは、もちろん小松橋通りを練り歩くおいらん道中。

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足下は三枚歯の高下駄。花魁が「外八文字」という独特の歩き方で、ゆっくりと進みます。

花魁の見習いである「禿(かむろ)」、将来のスター候補生「振袖新造(ふりそでしんぞう)」、花魁を支える「肩貸しの男衆」など、たくさんの役回りがあり、1組の行列でおよそ15人。

2組のおいらん道中で、総勢30人ほどが練り歩きます。

華やかな衣装、化粧はもちろん、細かな所作が見どころです。

14:00からは「江戸吉原粋花街乃賑」ステージショーが行われます。

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江戸時代の遊郭では、花魁が大名や旗本、豪商をもてなしました。その様子が、ステージ上で再現されます。

その後、ステージ上においらん道中の出演者が集まる撮影会があります。観客は華やかな世界を写真におさめることができます。

また、13:30からの「吉原の狐舞ひ」も、遊郭の文化を再現した見どころのひとつ。

狐の面をかぶって舞う吉原独特の行事です。

満開の八重桜を見上げる「浅草観音うら一葉桜まつり」

「江戸吉原おいらん道中」を含むイベントの正式名称は「浅草観音うら一葉桜まつり」。

会場の小松橋通りは、八重桜(一葉桜)の並木道になっており、浅草の隠れた桜名所なんです。

「一葉」は、この近くに住んでいた樋口一葉にちなんでいるのでしょう。

例年、ソメイヨシノより少し後、イベントの週末に八重桜が見頃を迎えます。

当日は、模擬店の出店やフリーマーケットも催される予定。

春らしい華やかなお祭りを、満喫してはいかがでしょうか?