4月上旬、桜満開の季節に、浅草寺で春を彩る行事が開催されます。

その名も「花まつり」(花祭り。浅草寺の表記は花まつり)。華やかで、少しエキゾチックな雰囲気のお祭りです。

花まつりって何をするお祭り?

花まつりでは、4月8日の午前中、浅草寺本堂に「仏誕図」を掛けて、住職をはじめ僧侶による法要が行われます。これが行事のスタートです。

雷門から仲見世を通る、浅草寺幼稚園・園児の行列が見どころのひとつ。

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園児たちは、大きな白い象をひいて、雷門から仲見世、本堂前の参道を歩き、この日だけ置かれる「花御堂」に参拝します。

花御堂は、本堂の中と本堂前の参道、五重塔前の参道に設けられ、誰でも参拝できます。

色とりどりの花で彩られた花御堂には、お釈迦様が生まれたときの姿を現した「誕生仏」が安置されています。

誕生仏は、あどけない子どものお姿で、右手は天を、左手は地を指しています。「この世に生きるものには皆それぞれの価値があり、尊いものである」という意味があるそうです。

誕生仏への参拝は、甘茶をそそぐという変わった作法で行います。

当日は、参拝者に向けて甘茶が振る舞われ、生花が配られるなど、境内は大いに賑わいます。

「仏生会」ともいう花まつり。その由来は?

4月8日はお釈迦さまの誕生日。

花まつりという通称で親しまれていますが、「仏生会(ぶっしょうえ)」「降誕会(ごうたんえ)」、「灌仏会(かんぶつえ)」、「仏誕会(ぶったんえ)」などとも呼ばれます。

花まつりは、お釈迦様の誕生を祝うお祭りなのです。

お釈迦様は、今から約2500年前の4月8日、インドの北方ルンビニという所で生まれました。その際、天から九頭龍が舞い降り、甘露(かんろ)をそそいだといわれています。

ここから、誕生仏に香水をそそぐ儀式が行われるようになり、江戸時代ごろから香水が甘茶に代わりました。

また、お釈迦様の生母・摩耶夫人(まやぶにん)は、白象の夢を見て身ごもったと伝えられています。園児たちが白象をひくのは、そんな故事に由来しています。

お釈迦様の誕生日である4月8日は、万物が生まれた日とされます。

稲の発芽を願う農民にとっては、大変縁起がよく、種まきの時期の目安となっていました。また、父母への感謝をする日としても伝えられています。

開催日程とスケジュール

開催日時:4月8日(2016年は金曜日)

10時に本堂で法要がスタート。終了後、花御堂が用意されます。

甘茶の無料接待と花の配布が準備されるのもこの時間帯で、正午前には各日に開始される見込みです。

園児の行列がひく白象も10時ごろに雷門を出発します。仲見世を通り、10分前後で宝蔵門から本堂付近への到着が予想されます。

花御堂は、本堂外陣と五重塔前参道、本堂前参道の三箇所。付近は混雑しますが、長く待つようなことはなさそうです。

花御堂が設けられるのは4月8日の日中のみ。片付けられる時間はまちまちですが、16時ごろまでに行くのが各日です。

2016年4月8日、浅草の天気予報は「曇時々晴」(4月5日時点)。

浅草のお花見散策がてら、春の風物詩の体験に、出かけてはいかがでしょうか?

※ここまで写真提供台東区

浅草寺へのアクセス

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電話番号:03-3842-0181

住所:東京都台東区浅草2-3-1

アクセス:東京スカイツリーライン・東京メトロ銀座線・都営浅草線・つくばエクスプレス浅草駅から徒歩5分