浅草にほどちかい蔵前の住宅街、連日行列ができるおしゃれスポットがあります。
「ダンデライオン・チョコレート[ファクトリー&カフェ蔵前]」です。
Bean to Bar(ビーントゥ バー)ってなんだ?
ダンデライオン・チョコレートは、サンフランシスコで生まれたクラフトチョコレート会社。
「クラフト」とは手工芸という意味で、まさに職人さんが手塩にかけたチョコレートを製造販売しています。
「ダンデライオン・チョコレート [ファクトリー&カフェ蔵前]」は、2016年2月にオープンした海外1号店です。
特徴は次の2つ。
1.カカオ豆からチョコレートバーになるまで、店内で手作りしていること
2.乳製品を一切使わず、カカオ豆とケインシュガー(キビの砂糖)だけでつくっていること
米国で発祥し、いま日本でも大注目の「Bean to Bar」(ビーン トゥ バー)です。
Beanはカカオ豆、Barはチョコレートバーのこと。日本で言う板チョコです。
カカオ豆からチョコレートバーまで。つまり、ダンデライオン・チョコレートは、この小さな店で、チョコレートづくりのすべての工程を行っています。
チョコレートができるまで
では、チョコレートづくりはいかにして行われているのか?
Bean to Barの工程を詳しく見せていただきました。
1.豆を選別する(BEANS)
ダンデライオン チョコレートの店内には、カカオ豆の選別室があります。
チョコを開発・製造するチョコレートメーカー伴野智映子さんに案内していただきました。
ドミニカやベリーズ、エクアドルにタンザニアなど、世界各地のカカオを仕入れています(豆の産地は時期により異なります)。
こちらはグアテマラ産のカカオ。
農家を直接訪れ、栽培環境や発酵過程を確認した上で、カカオ豆を選び抜いて仕入れています。
ただ、この袋の中身すべてがチョコレートにできるわけではありません。
発酵しすぎた豆や、反対に発酵が不十分な豆をここで仕分け、実際にチョコレートに加工できるものを選別します。
全体の約2割は使えないそうです。
2.焙煎する(ROASTING)
選別したカカオ豆はロースト(焙煎)して香りを引き出します。
焙煎機は、コーヒー用につくられたものを改造した特注品!
カカオの風味をできるだけ生かしながら、チョコレート用に加工するため、低温で長時間かけてローストできる仕様になっています。
3.吹き分ける(WINNOWING)
「ウィノウイング」と呼ばれる作業です。
焙煎したカカオ豆は、細かく砕きます。
カカオ豆の内側「カカオニブ」には外皮が付いていますが、豊かな風味は内部に閉じ込められています。
「ウィノワー」という機械で、砕いた豆に風を送り、雑味のもととなる外皮を吹き飛ばします。
このプロセスによって、カカオのおいしい部分だけを残せるのです。
ウィノウイング後のカカオがこちら。
4.混ぜる(MELANGING)
ウィノウイングでできたカカオ豆の粒子を、下写真のような「メランジャー」に入れ、キビの砂糖と合わせて、じっくりとかき混ぜていきます。
この工程にかける時間は、なんと三日三晩!
この豆が、
こんな風に砕かれて、
混ぜ続けるとこんなペースト状に! 20~29ミクロンにまで小さくなるそうです。
1ミクロンは1000分の1ミリですから、もうほぼ粒が分からない状態まで微細化されます。
特に熱などは加えていません。長時間かくはんすることで、なめらかなチョコレートになります。
この状態で試食させていただきました。
うーん、すでに濃厚!!! でも、さほど苦くないんですね・・・・・・。
5.固めて寝かせる(BLOCKING)
混ぜたチョコレートをブロック状に再び固めます。
すると、カカオ豆の脂肪分が表面に浮いてきます。
チョコレートは生きているんですねぇ。
1週間ほど寝かせて、次の工程に備えます。
6.調温する(TEMPERING)
「テンパリング」のプロセスです。この機械で行います。
ブロック状のカカオを温め、一度液状にし、再度固めます。
ところで、チョコレートにも結晶があることをご存じでしたでしょうか?
しかも、6つのタイプがあり、それぞれ結晶形、融点、密度が違います。
チョコレートに適しているのは「V型」の結晶。ダンデライオン・チョコレートに限らず、チョコレートの製造過程では多くの場合、V型の結晶をつくります。
手にとって溶けにくく、パリッと気持ちよく割れるチョコレートバーにするためです。
そのために、加熱と冷却を適切に繰り返します。
パーフェクトな状態のチョコレートを型に入れ、15~20分冷却すればチョコレートバーになります。
レシピの開発も店内で!
ダンデライオン チョコレートは、チョコレートのレシピも店内で独自開発しています。
日本の気温や湿度に合ったオリジナルのレシピをつくっているのです。
小型のメランジャーを使って、カカオ豆の種類と配合、時間などを試行錯誤しています。
こうしてできたレシピを、ロットを増やし1~6の工程で仕上げます。
チョコレートバーは売り切れ必至
こうしてファクトリーの工程を、一からまわってみると実感させられます。
1枚のチョコレートバーはスペシャリストの努力と情熱のたまもの。できあがるまでには、大変な手間と時間がかかっているんです。
つくれる量に限りがあります。そのため、連日こんなことに。
3/24本日のチョコレートバー完売しました。ご近所の方もいつもどうもありがとうございます。決しておしゃれせずいつでも普段着むしろ割烹着でいらしてください。
— ダンデライオン・チョコレート・ジャパン (@dandelionjapan) March 24, 2016
本日のチョコレートバーは完売しました。当店のドリンクメニューにある嬉野紅茶は、香り高くまろやかな味わいをお楽しみいただけます。スイーツに使われているチョコレートの味を更に引き立たせ、花粉に疲れた体に染み渡ります。ぜひご体験ください。 pic.twitter.com/0QvcZLvq03
— ダンデライオン・チョコレート・ジャパン (@dandelionjapan) March 23, 2016
本日のチョコレートバーは完売しました。ペストリー、ドリンクはご用意があります。連休明けの気持ちいい火曜日、ピリッとスパイスの効いたミッションホットチョコレートがおすすめです。アイスもあります。皆さまのご来店をお待ちしております。
— ダンデライオン・チョコレート・ジャパン (@dandelionjapan) March 22, 2016
開店1時間前の午前9時にはもう並んでいる方がいます。
カフェでホットチョコレートを
ダンデライオン チョコレートは、チョコレートバーのほかにもクッキーやブラウニーを店内でつくっています。
もちろん、お店の中でいただけます。
「ハウスホットチョコレート」580円(税別)。
甘さは控えめで意外にあっさり。優しい味わいに、身も心もあたたまります。
「ブラウニーバイトフライト」630円(税別)。こちらは間違いなく香り、味、舌ざわり、ともに濃厚なチョコレートを味わえます。
オリジナルチョコレート3種類をつかったブラウニーで、カカオによって味が全然ちがうんです!! キャラメルのような香ばしさがあったり、フルーティな酸味が感じられたり・・・・・・。
おしゃれカフェスペースの中でも特等席はココ!
2階には、カフェスペースが広がっています。
ファクトリーを上からのぞけるステキな席も。
でも、体験じゃぱんのおすすめは1階。こちらの席です。
ファクトリーの目の前、チョコレートの試作が行われるメランジャーがすぐそこに。
チョコレートメーカーさんの仕事を見つつ、ときどきチョコレートのことを聞いたりしながら、まったりしてはいかがでしょう。
ちなみに、こちらも1階の席。
目の前の公園を眺められる席です。
こちらもおすすめですよ。
営業時間とアクセス
店名:ダンデライオン・チョコレート[ファクトリー&カフェ蔵前]
営業時間:10:00~20:00(ラストオーダー19:30)
住所:東京都台東区蔵前4-14-6