本日は、浅草で行われる大人気イベントのお知らせです。
かたく閉ざされた伝法院の門が開き、日本庭園と寺宝の大絵馬が一般向けに特別公開されます。
体験じゃぱんも取材予定ですが、公開を目前に2016年の情報をお知らせしましょう。
伝法院とは? 浅草寺の僧侶の住まいであり修行道場。将軍の位牌もある
観光客でごった返す仲見世の西側、五重塔のたもとに伝法院があります。
浅草寺の僧侶が住む「本坊」で、安永6年(1777)建築の客殿と玄関、明治4年(1871)築の大書院、浅草寺貫首(かんす)大僧正の居間などがあり、「伝法院」とはその総称です。
徳川家歴代将軍(11人)と浅草寺各世代住職の位牌が安置されており、僧侶の修行道場でもあります。
総敷地面積は25,568.4平方メートル。
浅草のど真ん中、浅草寺のお膝元に、東京ドーム1/2個分の敷地を確保しています。
浅草寺の中でも非常に重要な存在なのです。
ふだんは立入禁止の日本庭園が特別公開
伝法院の特徴と言えば、400年の歴史を持つ日本庭園です。
江戸初期の茶人であり作庭家・小堀遠州の作だとされています。
池を中心とした廻遊式庭園で、2011年には国の名勝指定を受けました。
庭だけで1万2,216.6平方メートルと、すごい広さです。
なのに!!!
基本的には非公開なんです。
伝法院はふだんかたく門が閉ざされ、関係者以外立ち入ることができません。明治までは宮家や徳川将軍しか見られない「秘園」だったそうです。
それだけに、毎年春に行われる特別公開が大変な注目を集めています。
期間は3月18日〜5月9日、時間は10〜16時
2016年特別公開の詳細は下記の通りです。
正式名称:「国指定名勝伝法院庭園特別拝観と大絵馬寺宝展」
開催期間:3月18日(金)~5月9日(月)
入場時間:10:00~16:00(16:30閉門)
拝観料:300円(中学生以下の同伴者は2名まで無料)
※バリアフリー対応はなし
ぐるりと一周しても所要時間は1時間あれば十分。その見どころをご紹介していきましょう。
見所その1:しだれ桜は3月末が見頃
庭園に華を添えるのが大きなしだれ桜。
例年3月末には、ピンクの花をいっぱいにつけ、いかにも重そうな枝を垂らします。
また、敷地内の大島桜は3月14日時点ですでに開花しているそう。3月中に伝法院を訪れれば、華やかな庭園の表情が見られそうです。
見所その2:小堀遠州作の日本庭園
かつて、宮家や歴代将軍が散策を楽しんだであろう日本庭園の傑作。
池泉回遊式庭園で、豊かな水を蓄えた池には、鯉や亀がのんびりと泳いでいます。
背景には浅草寺五重塔、東京スカイツリーといった「浅草2大タワー」がそびえます。
国の重要文化財に指定される建造物6棟(客殿、玄関、大書院、小書院、新書院、台所)も、広大な庭園に渋みを加えています。
作者の小堀遠州は、寛永年間に幕府作事奉行をつとめました。
日本を代表する作庭家の一人で、ほかに二条城の庭園などもつくった人。茶の湯や和歌にも精通していた当時の一流文化人ですね。
見所その3:一流絵師たちの大絵馬
「絵馬堂」にて、浅草寺が所属する大絵馬を展示。かつては、本堂(観音堂)に飾られ、参拝者が観覧できたものです。
江戸時代から多くの参拝客が訪れていた浅草寺。各時代の絵師たちは、競って大絵馬を描いて、技をアピールしました。
人気が出た絵師は、そこからスター街道を上っていきます。
浅草寺の大絵馬は、一流の絵師たちが集うコンペティションのような場だったのでしょう。
卓越した技術、アイデアの作品が期待できます。
混雑具合は? 待ち時間なしで入れるのか??
それほど貴重な特別公開ならば、気になるのは混雑です。
多い日で1,000人以上の人出があるといいます。
開催期間中で、もっとも混雑が見込まれるのはゴールデンウィーク。4月下旬から5月上旬にかけてです。
絵馬堂に入れる人数に限りがあるので、行列ができ、待ち時間の発生する場合があります。13~15時ごろに、人出のピークを迎えることが多いそうです。
ただし、実は絵馬堂を通らず、すぐに庭園を見られるルートがあり、そちらを通れば並んで待つことはなさそうです。
アクセス:浅草駅から仲見世を通って徒歩7分。入園は浅草寺境内から
伝法院へは浅草寺五重塔のすぐ近くから入ります。
浅草の伝法院通りに、いつも閉まっている大きな門があるのですが、そこが開くわけではありません。浅草をご存知の方は、間違えやすいのでご注意ください。
浅草寺までは、東武スカイツリーライン、東京メトロ銀座線、つくばエクスプレス、都営地下鉄浅草線、どの路線を使っても、浅草駅から徒歩5分程度。にぎやかな仲見世を歩いて来るもよし、ちょっと遠回りしてエンタメの街「浅草六区」エリアの雰囲気を満喫するもよし。
春の浅草を堪能しましょう!