2週間後に迫る浅草の三社祭。

いよいよ、祭りへ備えるドキドキ、ワクワクが、町のあちこちで感じられます。

けれど、浅草に住んでいない方は、「三社」の名は知っていても、中身を詳しく知らないということが多いのではないでしょうか?

かくいう体験じゃぱん編集部も、三社祭初体験のひとり。浅草観光連盟の飯島邦夫さんへの取材も通し、わからないことを調査しました。

お祭り当日の観客の皆さんに役立つ観覧ガイドです。

本社神輿と町内神輿

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まずは、祭りの華・神輿について押さえておきましょう。

そもそも、浅草神社には三柱の神様が、おまつりされています。

浅草寺ご本尊を見つけた檜前浜成(ひのくまはまなり)・竹成(たけなり)兄弟と、観音像として泰安した土師真中知(はじのなかまち)の3人。

浅草神社が「三社様」と呼ばれ、お祭りが「三社祭」となっているのもそのためです。

「本社神輿」と呼ばれる浅草神社の神輿も、一之宮、二之宮、三之宮の3基があります。

三社祭では、神様の御霊が入れられた3つの神輿が、浅草の街を渡御(とぎょ)します。渡御とは、「お出ましになる」といった意味合いです。

本社神輿とは別に「町内神輿」が、なんと約100基! 浅草神社氏子の44町会が、それぞれ持っている神輿です。

こちらも、浅草神社から各町会へ渡御します。

三社祭2016年のスケジュール

発表されているスケジュールは以下の通り。

日程:2016年5月13日(金)・14日(土)・15日(日)

各日タイムスケジュール:

5月12日(木)
19:00 本社神輿神霊入れの儀

5月13日(金)
13:00 大行列
14:20 ぴんざさら舞奉納(浅草神社社殿)
15:00 ぴんざさら舞奉納(浅草神神楽殿)
15:30 各町神輿神霊入れの儀

5月14日(土)
10:00 例大祭式典
12:00 町内神輿連合渡御
16:00 奉納舞踊(浅草神社神楽殿)
17:00 巫女舞奉奏(浅草神社神楽殿)

5月15日(日)
6:00~ 宮出し→本社神輿各町渡御→宮入り(夜まで続きます)
11:00~18:00 雷門通りから馬道通りにてお祭り広場を開催
14:00 巫女舞奉奏(浅草神社神楽殿)
15:00 奉納舞踊(浅草神社神楽殿)
16:00 太鼓奉演(浅草神社境内)
宮入り後 本社神輿御霊返しの儀

三社祭の見どころは?

上記のようなスケジュールですが、一般の観客は何を目当てするのがよいのでしょうか?

宮出し、宮入りは観られない??

本社神輿神霊入れの儀、本社神輿御霊返しの儀の場には、一般の観客は立ち入ることができませんが、浅草神社の境内から観ることができます。

浅草神社、浅草寺境内から神輿が発進する「宮出し」、渡御を終えた神輿が戻る「宮入り」は、それは大変な盛り上がりですが、入場規制が敷かれます。一般の観客は、少なくとも浅草神社や浅草寺の境内から観ることはできません。

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となれば、見どころは、やはり神輿の渡御でしょう。

町内神輿連合渡御

14日(土)は、町内神輿の渡御が行われます。南部16ヶ町、東部12ヶ町、西部16ヶ町に分かれ、浅草神社から各町へ神輿が連なり戻っていきます。

町のあちこちで、神輿の渡御が行われ、浅草はまさに祭り一色となります。

本社神輿渡御

15日(日)8:00からは、いよいよ本社神輿の渡御。一之宮、二之宮、三之宮が、南・東・西の各方面に分かれ、一番町会より出発します。

担ぎ手は、氏子である各町会の人たち。町会から町会へ、リレーのように本社神輿が渡されていきます。

本社神輿渡御は一日中続き、浅草神社に戻るのは19:00ごろ。その後、クライマックスの宮入りとなります。

神輿はどこを通る?

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神輿渡御のルートは、浅草神社奉賛会のホームページに公開されています。

本社神輿渡御順路

町内連合渡御進行図

それだけではありません! GPSを利用し、神輿の現在地がGoogleマップ上に表示するサービスが提供されているのです!!

浅草神社奉賛会HP  本社神輿位置情報

gps

しかも、地図上で自分の現在地もわかります。これなら、神輿をすぐに見つけることができそうです。

21世紀の三社祭はハイテクなのです。

大行列でお祭り気分が盛り上がる!

メインの土日を前に、13日(金)にも見どころがあります。

13:00からの大行列では、浅草見番をスタートし、お囃子屋台と、浅草の名士の皆さん、芸妓衆、白鷺の舞・ぴんざさら舞の舞い手さんなどが、浅草を練り歩きます。

ぴんざさら舞は、五穀豊穣を祈る浅草神社の神事。田植えを芸能化した「田楽舞」で、獅子舞も同時に行われます。重要無形文化財に指定されています。

大行列の後、浅草神社の社殿、神楽殿で奉演されます。

また、13日(金)の夜には、本番を待ちきれない各町内神輿が町へ繰り出します。「宵宮(よいみや)渡御」と呼ばれ、ライトアップされた神輿がゆれる様子に、昼間とは違った三社祭の深い味わいを見て取れます。

その他三社祭を満喫するためのQ&A

交通規制はある?

15日(日)の11:00~18:00は、雷門通りと馬道が「お祭り広場」になります。

交通規制が敷かれ、一般車両は通行できません。

その分、神輿の練り歩きで大いに盛り上がります。人は通行できるのでご安心ください。

屋台、出店は出るの?

浅草寺境内に露店がたくさん出ます。屋台グルメも、間違いなく三社祭の楽しみのひとつです。

しかし、アルコールは売っていないので、街の中の各店でご利用を。

2016年から、浅草寺境内でアルコールの販売が禁止されているのです。

雷門通りや馬道は「お祭り広場」になっても屋台などは出ません。

おすすめの観覧スポットは?

体験じゃぱんとしては、とっておきの穴場をご紹介したいところなのですが、残念ながらコレといった場所がありません。

本社神輿と町内神輿は、小さな通りを含め町中を練り歩きます。浅草すべてを舞台にした、壮大なスペクタクルと言えるかもしれません。

「この時期の浅草は、三社祭の雰囲気そのものが楽しいんです。家の軒先に、今年のデザインの提灯がぶら下がっています。提灯のデザインは毎年変わるので、皆さん新しいものを付けています。ここまで、町中で盛り上がるお祭りは、東京でもここだけではないでしょうか」(飯島さん)

神輿を担ぐには

町内神輿も本社神輿も、各町に住む氏子さんたちが担いでいます。飛び入りで参加することはできません。

三社祭の神輿を担ぎたければ、次のような方法があると、飯島さんが教えてくれました。

  1. 浅草に引っ越してくる
  2. 浅草に住んでいる友人・知人に頼む
  3. 浅草のお店に通い詰めて、親しくなってから頼んでみる

浅草に住んでいなくても、地元の町会の人に半纏を借りて、神輿担ぎに参加することができます。

ただし、浅草っ子が大切にするお祭りなので、ぶしつけに頼まないよう注意しましょう。「おめえなんかにゃあ、まだまだ担がせねえよ」と一蹴されるかも!?

ドローン撮影はやっぱり禁止?

もちろん禁止です。

三社祭の人出は? 混雑はすごい?

三社祭には「150万人の人が訪れる」などと書かれていますが、昨年の人出は3日間でおよそ185万人!

ふだんから人でごった返す浅草が、ものすごい混雑です。

場所取りなんてまず無理。人につぶされてしまいます。

祭りの準備はいつからしているの?

浅草の人たちの生活は、三社祭を中心にまわっているといっても過言ではありません。

本稿執筆の4月下旬ともなれば、毎晩町のどこかで打ち合わせが行われています。祭りが終われば、反省会ですぐに次の年の話に。

ハロウィンだってクリスマスだって、祭り好きの浅草っ子が集まれば三社祭の会話になります。

つまり、1年中準備しているということです。

フォトコンテストに参加しよう!

最後に三社祭の楽しみ方をご提案。

浅草神社主催のフォトコンテストに応募してはいかがでしょうか?

大賞は3万円+境内に掲示されます。

去年の大賞作品「盛り上がる三之宮神輿」(品川明雄さん)は、今年から製作された「平成二十八年度 浅草神社例大祭 三社祭 公式読本」の表紙にも!

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神輿は担げなくても、これもお祭りへ参加するひとつの方法かもしれません。

というわけで、体験じゃぱんは2016年の三社祭フォトコンテストに参戦します!